リスティングの地域ターゲティング最適化でCPAが約半分に〜統計が語る、あるインテリアショップの改善事例〜


1.あるインテリアショップの悩み

東京に店を構え十数年。リピート顧客も増えてきたインテリアショップY社は、3年前から全国を対象としたインターネットショッピングにも力を入れ始めました。WEBサイト開設とほぼ同時期にリスティング広告を開始して、CVも徐々に増えていきました。リスティング広告のパフォーマンスをさらに向上させたい、そんな思いからY社の担当者は「地域ターゲティング」を活用して、CPAを改善させることを考えつきました。

1-1.ゆらぐ「経験」、この仮説は正しいのだろうか

Y社の過去の売上実績を見ると、東京や神奈川といった首都圏からの売上が多くの割合を占めていました。リスティング広告経由の注文も、やはり首都圏が中心でそれ以外のエリアは比較的少なく、さらに一部のエリアでCPCが平均を上回っており、全体のパフォーマンスを損ねているように見られました。

ご存じの通り、スポンサードサーチの「地域ターゲティング」では指定した地域(都道府県や市区町村単位)にのみ広告を配信したり、あるいは配信を除外したりすることができます。そこで今回はこの「地域ターゲティング」を使って首都圏以外の配信を「停止」しました。

結果は、思い通りにはいきませんでした。CPAは下がらず、ほぼ同水準で推移しました。2か月経っても、3か月経っても変わらないままです。「何がおかしかったのだろうか?効率の良い広告に資源を集中的に投下することは理にかなっているはずだ」。Y社の担当者はもう一度「過去のデータ」と向き合うことを決心しました。

1-2.「データ」と向き合うことで見えてきたモノ

Y社の担当者は過去2年分のリスティング広告について、データをあらためて見直しました。そもそもの仮説が間違っていたのではないか、データの分析にミスがあったのではないか。スミからスミまでデータを眺めているうちに、あることに気づきました。首都圏以外の地域はCVRが低く、CPAが高いという「イメージ」を持っていたのですが、中にはそれ以上にCVRが高く、CPAが安いエリアもいくつか存在し、その数は決して少なくなかったのです。「もしかしたら、首都圏のみに絞り込むことで、効率の悪い広告と一緒に、効率の良い広告も停止してしまったのかもしれない」。Y社のご担当者はさらに踏み込んで「データ」を分析してみることにしました。

2か月後、驚くほどの効果が得られました。それまで15,000円台だったCPAが8,000円台になり、それまでの半分近くにまで下げることに成功したのです。(図1:データは一部加工してあります)

CPA改善結果
(図1)

なぜ、CPAを下げることに成功したのでしょうか?

Y社のご担当者が「地域ターゲティング」を再度設定する前に、仮説を検証した「ある手法」をご紹介します。

2.統計が語る「地域ターゲティング」

ビジネスにおいて、過去の体験から得られる「知見」はとても重要です。多くの場合、それはとてもすばらしい武器になります。一方、「データ」も使い方次第で心強い、味方になってくれます。Y社の担当者は実際に「地域ターゲティング」を行う前にある統計的手法を用いて、自身の仮説を検証してみました。

2-1.「ロジスティック回帰分析」とは

「ロジスティック回帰分析」という分析手法があります。これは回帰分析のひとつで、たとえば「CPAが上がった」「CPAが上がらなかった」などのように結果が「0」か「1」になるような事象の分析に用いられます。実際に「R」というフリーの統計ソフトを使用して「ロジスティック回帰分析」を行ってみましょう。「R」の利用方法についてはこちらの記事がわかりやすいかと思いますので、ご参照ください。

2-2.「R」で「地域ターゲティング」を分析してみる

ここで、わかりやすくするために、よりシンプルな条件で分析します。分析したい結果を「全体のCPAが過去の平均CPAより下回ったかどうか(allcpa)」ということにして、下回った場合を「1」、そうでない場合を「0」としました。また、そのほかの変数(条件項目)として、「首都圏の平均クリック単価(capitalbid)」「首都圏の広告コスト(capitalcost)」「首都圏以外の平均クリック単価(localbid)」「首都圏以外の広告コスト(localcost)」としました。図2は1行ごとに過去1か月ごとの実績を入れたデータになります。

ロジスティック回帰分析のデータ
(図2)

「R」を使えば「ロジスティック回帰分析」をとても簡単に行えます。以下の関数を入力するだけで、結果が出力されます。

> res = glm ( allcpa ~ + localbid + localcost + capitalbid + capitalcost , data , family = binomial )
> summary ( res )

結果から導き出された式は次のようになります。

log( 全体CPAが上がる確率 / 全体CPAが上がらない確率 )=
3.94 ×(首都圏以外の平均クリック単価)+ 1.59 ×(首都圏以外の広告コスト)
+ 1.4 ×(首都圏の平均クリック単価)− 3.41 ×(首都圏の広告コスト)− 1.15

この式に実際に数値をあてはめて、全体CPAが上がる確率を予測してみました。ここでは「首都圏以外のクリック単価」を「34」、「首都圏以外の広告コスト」を「77,000」、「首都圏のクリック単価」を「36」、「首都圏の広告コスト」を「160,000」に設定しました。つまり、首都圏以外のコストを上げて、首都圏のコストをやや下げるということをした場合に、全体CPAが下がる確率は何%か、という検証になります。

結果は93.7%の確率で「CPAが下がる」と出ました。

Y社のご担当者は「データ」と向き合い「統計」というアプローチをとることで、今までは得られなかった「解答」を得ることができたのです。

3.リスティング オートフライトの「ターゲティング最適化」

このお客様は現在、ジャストシステムが提供するリスティング広告の運用ツール、リスティング オートフライトを利用されています。CPAも順調に推移しています。

「ロジスティック回帰分析」はあくまでリスティング オートフライトの「コアエンジン」を構成する基礎技術のひとつにすぎず、実際ははるかに複雑で高度な処理を行っています。また「統計的手法」は非常に有効な手段ではありますが、毎回人手で行うのには無理があります。リスティング オートフライトではこれら「統計的手法」と「独自の自然言語処理」を基盤に、柔軟で高度な独自アルゴリズム「SLAT: Statistical and Linguistic Ad Technology」を構築しており、きめ細かな「ターゲティング最適化」をまさに「手ばなし」で行うことが可能です。

4.実際のエンジンを使用したシミュレーションを無料で受け付けています

現在リスティング オートフライトでは、実際に使用している「エンジン」を用いてシミュレーションを実施し、「キーワード候補リスト」や「流入数」などの成果をご案内しています。下記のボタンから簡単にシミュレーションの申し込みが可能ですので、お気軽にお申し込みください。


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